節分の日に通りを歩いていたら、玄関先にいわしの頭が飾ってあってギョッとしたことってありませんか?
私はあのいわしの頭を見て以来、どうしてあんな飾りがあるのか気になってしまいました。
ただ調べてみると、いわしの頭や一緒に飾っている柊にも意味があることが分かってとても興味深かったんです!
そこで今回は節分の時期によく見かける柊鰯について、その由来や意味、飾り方、飾る期間と処分方法について紹介します。
節分の時期に見かけるいわしの頭は何?
節分の時期になると、いわしの頭が柊に刺さっているのを見かけることがあります。
かなり強烈な見た目なので、夜中に見たりしたらちょっと怖いですよね。
しかし、あれは「節分いわし」や「柊鰯(ひいらぎいわし)」というもので、平安時代から続く、れっきとした節分の日の飾りなんです。
この柊鰯には様々な呼び名があり、何と呼んでいるかは地域によって異なります。
「節分いわし」や「柊鰯(ひいらぎいわし)」の他にも、「焼い嗅がし(やいかがし)」「柊刺し」などと呼ばれることもあるそうですよ。
様々な呼び名があるものの、飾りとしてはどれも同じく柊の枝に焼いたいわしの頭が刺さっているものです。
一見怖くも思えるビジュアルの柊鰯ですが、その姿にはきちんと意味があるんです。
柊鰯の由来と意味
柊鰯はどうして柊の枝に焼いたいわしの頭が刺さっているのでしょうか?
実は、柊もいわしも鬼にとって苦手なものだと考えられているからなんです。
まず、柊は葉っぱが棘のように鋭くなっているから刺さることを恐れて鬼が怖がって近づかないと言われています。
また、いわしは焼いたときの臭いがきついことから、鬼が臭いを嫌がると考えられていました。
このように鬼の苦手な柊といわしを組み合わせて飾ることで、鬼が近づけないように家を守る魔除けの力があると信じられていたため、柊にいわしの頭を刺して飾るという習慣が生まれたそうです。
また、柊鰯の別の呼び方に「焼い嗅がし」という呼び名がありますが、これはいわしの頭を「焼い」てその臭いを「嗅が」せるという意味から「焼い嗅がし」と呼ばれるようになったと言われています。
柊鰯の飾り方
柊鰯の飾り方はとても簡単です。
まず、いわしを買ってきて魚焼きグリルなどで普通に焼きます。
焼けたら頭の部分だけを切り落とします。
いわしは新鮮であればお刺身など生でも食べられるので、身の部分の調理方法によって焼く前に頭を着るか、焼いてから切るかは自由に調整してください。
いわしの頭の準備ができたらイワシの頭を顔が上を向くように柊の枝に刺します。
柊鰯の作成はこれで完了です。
あとは、出来上がった飾りを玄関に飾りましょう。
柊鰯を玄関に飾ることによって臭いと棘に守られ、鬼が玄関から入ってこないようになると考えられています。
また、いわしと柊を自分で用意してくるのは大変だと感じている人には、節分用の飾りセットなどが販売されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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柊鰯の飾る期間や処分方法
柊鰯は節分の日に飾ったあといつまで飾っておけばよいのでしょうか?
この日数については、地域差があるようで一概には言えないようです。
例えば、節分の日とその翌日まで飾るというパターンや長いもので節分から2月末まで、節分の日から1年間というものもありました。
ただ、どれが正しいとも言えないものの、イワシの頭は食べられるものなので、長期間外に放置しておくのは衛生的に避けたほうがよいでしょう。
ということで、節分の日とその翌日くらいまでを目安に柊鰯を飾るのがおすすめです。
また、柊鰯の処分方法ですが、一番良い方法は神社でお焚き上げをしてもらうことです。
柊鰯は家を鬼から守ってくれた縁起の良い物なので、感謝の気持ちを込めてきちんとお焚き上げをおこなってもらうほうが、本来は望ましいといえるでしょう。
ただ、近くにお焚き上げをお願いできる神社がなかったり、お焚き上げに行く手間をかけられない方は、柊鰯を白い紙に包んで、塩を振ってから捨てるのがおすすめです。
白い紙には清めの意味があるので、白い紙と塩を使うことで柊鰯を清め、お焚き上げしたのと同じような供養ができたことになります。
まとめ
以上、今回は節分の時期によく見かける柊鰯について、その由来や意味、飾り方、飾る期間と処分方法についてまとめました。
柊鰯は一瞬怖いと感じるような見た目をしていますが、鬼を家の中に侵入させない魔除けの意味があったことが分かったと思います。
実際に自分ですべて用意して柊鰯を作るのはちょっと手間に感じるかもしれませんが、キットを使ったりと工夫して、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか。